ステンレス鋼製ねじの強度区分
ステンレス鋼製ねじの強度区分
ISO規格により、ステンレス鋼とは鉄に1.2%以下の炭素と10.5%以上のクロムを添加した合金鋼のことと規定されています。これにより耐食性や耐熱性を向上させた鋼のことをステンレス鋼と定義しているのです。
ステンレス鋼は、その金属組織によりオーステナイト系・フェライト系・マルテンサイト系の3つの鋼種に分けられます。
強度区分の表し方
ステンレス鋼製ねじの強度区分の表し方は「A3-50」のように、ハイフンによって区切られた前後2つのブロックで構成されます。
「A3」の部分が鋼種区分を表し、「50」の部分が機械的性質である強度を表しています。
鋼種区分
鋼種区分は「A:オーステナイト系ステンレス鋼」、「C:マルテンサイト系ステンレス鋼」、「F:フェライト系ステンレス鋼」の3つです。
このA、C、Fの次にくる1桁の数字が、化学成分の範囲を示しています。
オーステナイト系ステンレス鋼にはA1、A2、A3、A4、A5があり、マルテンサイト系ステンレス鋼にはC1、C3、C4、フェライト系ステンレス鋼にはF1があります。
それぞれの鋼種に属する主な鋼種名を以下に記します。
A1:SUS 303
A2:SUS 304/SUS 304L/SUS XM7
A3:SUS 321/SUS 347
A4:SUS 316/SUS 316L
A5:SUS 316N/SUS 316LN
C1:SUS 403/SUS 410
C3:SUS 431
C4:SUS 416
F1:SUS 430
呼び引張強さ
ハイフンの後ろにくる2桁の数字は、呼び引張強さを示しています。鋼材を引っ張っていくと、最終的に破断します。その破断に到るまでの最大の応力を、鋼材の断面積で割った値が「呼び引張強さ」です。
つまり引張強さとは、ある鋼材がもつ引張力に対抗する最大の強度と言うことができます。
また、スレンレス鋼製ねじは、「冷間加工」や「焼入れ・焼戻し」など、加工法などにも言及される点が特徴です。