ネジの強度区分
ねじの強さを表す強度区分
ねじの強さは、「強度区分」により表されます。ねじはその使用用途や使用目的により、求められる強度は様々。玩具を留めるねじと、橋梁に使われるねじ。同じねじでも、求められる強度はまったく異なってきますよね。誤って強度の足りないねじを使うと、事故につながる恐れがあります。しかし、ねじの強度は使用する鋼材の種類だけでなく、その製造法や熱処理など、様々な要因に左右されます。そのためJISでは、使用者が適切な強度のねじを選べるよう、ねじの「強度区分」を規定しています。
ここでは、「鋼製ボルト」と「ステンレス鋼製ねじ」の強度区分について見ていきたいと思います。
鋼製ボルトの強度区分
JIS規格では、次の10種類の強度区分が定められています。
3.6/4.6/4.8/5.6/5.8/6.8/8.8/9.8/10.9/12.9
ピリオドの左の数字が「呼び引張強さ(N/㎟)」を表し、右の数字が「最小引張強さ(N/㎟)」を表しています。10種類の中でも特によく使用されるのが、「12.9」「10.9」「8.8」「4.8」の4種類です。
ちなみにJIS規格には「鋼製ナット」の強度区分に関する記述もあります。一般に市販されているナットには強度区分の刻印のないものが多いのですが、JIS規格では4/5/6/8/9/10/12の7種類の強度区分が規定されています。
(ナットの呼び高さが「0.8×呼び径以上」の場合)
ただし、ナットの強度は、それと組み合わせるボルトに見合うことが大切です。ナットを選ぶ際には、ボルトの強度を十分に発揮させるものであるかを考慮に入れましょう。
ステンレス鋼製ねじの強度区分
ステンレス鋼製ねじの強度区分の表し方は、ハイフンによって区切られた前後2つのブロックで構成されます。ハイフンの前がオーステナイト系やマルテンサイト系、フェライト系といった鋼種分類を示し、ハイフンの後が引張強さを表します。例えば「A3-50」の場合、「A3」が鋼種区分、「50」が引張り強さです。