ねじの機能〜稼働〜
稼働することで発揮される、ねじの機能
ねじの機能はその性質から、大きく2つに分けられます。それは、ねじが固定した状態で果たす機能か、稼働した状態で果たす機能かということ。
私たちの身近ではほとんどが固定状態で使われているため、稼働した状態で果たす機能と言われても、ちょっと分かりづらいですね。
しかし、じつは人類が初めてねじ構造を利用したアルキメディアン・スクリューは、ねじが稼働した状態で機能するもの。昔の人にとっては、むしろ稼働状態の方が身近なものだったのかもしれません。
ここでは、稼働することで発揮されるねじの機能を紹介します。
ねじの稼働機能 その1:搬送
ねじの螺旋構造が回転することにより、液体や粉体などを移動させる機能です。
ギリシャのアルキメデスが考案した「アルキメディアン・スクリュー」では、大きな筒の内部に螺旋構造を設け、これを回転させることにより、船底の水を排出したと言われています。
現代でもこの発想は利用されており、スクリューコンベアでは穀物や石炭、生コンなどの搬送に利用されています。
ねじの稼働機能 その2:測定・微調整
精密な長さを測定するマイクロメーターに使われているのが、ねじの測定機能です。
高精度なねじでは、ねじの回転角などから距離を測定することができるのです。
前述のマイクロメーターでは、ねじの送りが回転角度に比例することを利用し、二点間の微小な距離を測定します。
ねじの稼働機能 その3:増力・減速
ねじの回転運動を利用し、大きな力を生み出す機能です。
例えばスクリュージャッキでは、小さな力で重い物を持ち上げることが可能となります。万力にねじ山が切られているのも、ねじの増力・減速機能を利用しているためです。
ねじの稼働機能 その4:圧縮・圧搾
ねじは回転することで、上下に移動します。
この上下の回転移動を利用し圧力をかけることで、ものを圧縮したり、圧搾したりする機能があります。ねじによる圧搾は、オリーブやぶどうの実を搾るため、古くから利用されてきました。