ネジの規格:インチねじ(ウィットねじ・ユニファイねじ)
ネジの規格には、インチねじ(ウィット・ユニファイ)・メートルねじ・管用ねじの3種類があります。ここでは、インチねじについて説明します。
ネジの規格:インチねじとは?
インチねじとは、サイズの基本寸法をインチ法で表したものです。
ねじ軸部の太さが何インチであるか。また、ねじ軸部に切られたねじ山が1インチ(25.4mm)の中にいくつあるかで、サイズが決まります。
インチねじの中には、ウィットねじやユニファイねじなどがあります。
インチねじの始まりはウィットねじ
まず最初に登場したのが、イギリスのウィットウォースによるウィットねじです。ウィットウォースが開発したねじ切り旋盤は、誰が作っても同じ形のねじを大量に生産することができました。
そこで、世界で初めてねじの規格化に取り組んだのが、ウィットウォースだったのです。
ウィットウォースが提唱したねじは、ねじ山の角度が55度。当時、皆がバラバラに作っていたねじを集め、平均化したものだったと言われています。
ウィットねじの記号はW。
現在、JIS規格では廃止されていますが、水道関係や建築関係など、一部の業界では今も現役で使われています。
ウィットねじからユニファイねじへの流れ
イギリスでウィットウォースがウィットねじを提唱した数年後、アメリカではセラーズがねじ山の角度60°のインチねじを発表します。
これはUSねじとして、アメリカを代表するねじ規格となります。
しかし1948年、アメリカ・イギリス・カナダの3カ国が、軍需品の互換性を図ることを目的に、ねじの統一規格を模索します。
こうして生まれたのが、ねじ山の角度60°のインチねじ・ユニファイねじです。インチねじであるユニファイねじでは、ピッチを1インチ(25.4mm)あたりのねじ山の数で表します。
ユニファイねじには並目と細目があり、並目はUNC、細目はUNFで表記されます。