ねじ新聞vol.20 緩み止めの新発想!ハイブリットボルトとは
ハイブリットボルト(HB)とは
ハイブリットボルトには、ねじ山のひとつひとつにスリットと呼ばれる溝が刻まれています。通常のネジは締結した状態でも雄ねじと雌ねじの間に隙間があるため、振動などが加わるとどうしてもネジが緩んでしまいます。これに対し、ねじ山にスリットが入っているハイブリットボルト(HB)では、締結時にスリットがバネの役割を果たし、雄ねじと雌ねじをピッタリと密着させることができます。
また、従来の接触摩擦によるゆるみ止めだけではなく、素材の弾性を利用することで、ハイブリットボルト(HB)は外部からの衝撃や振動などを構造的に吸収することが可能です。
ハイブリットボルト(HB)の特徴:ボルト単体でロック
雌ねじネジ山の側面で押された時、雄ねじネジ山に切られたスリットがスプリングバックによる反発力を生み、セルフロックした状態になります。
ハイブリットボルト(HB)の特徴:繰り返し使用にも耐えるロック効果
雌ねじネジ山の斜辺を軸とする曲げモーメント(曲げる力)を、素材が持つ弾性の範囲で利用するため、繰り返し使用してもロック効果はほとんど落ちません。
ハイブリットボルト(HB)の特徴:相対的な強度の向上
従来のボルトでは、締付け応力は最初の1山か1山半に集中します。しかし、ハイブリットボルトでは噛み合っているネジ山全体に力が均等に分散するため、相対強度は20%〜50%ほど向上します。
ハイブリットボルト(HB)の特徴:良好な作業性
従来のボルトが必要とするワッシャー類のはめ込み、座金の加工、接着剤の塗布などの作業が不要になります。ボルト単体でロック効果を実感していただけます。
ハイブリットボルト(HB)の特徴:経済的コストの削減
ワッシャーや座金、接着剤などが不要になるため、コスト削減に役立ちます。また、従来のネジの製造装置をそのまま利用できるため、導入障壁がありません。
ドリルねじ・タッピンねじもハイブリット化!
一般のネジ・ボルトだけでなく、雌ねじが要らないドリルねじ・タッピンねじのハイブリット化も対応可能です。サイズは0番小ねじからM20まで、さらに材質・種類も問いません。
ハイブリッドボルトのご注文につきましては、材質・表面処理・頭部形状・サイズ・数量をご確認のうえ、まずはお見積り下さい。