チタン
チタンは、ギリシア神話に出てくる巨大な神・ティーターン(タイタン)にちなんで名付けられた金属です。神の名をもつチタンには、軽量・高強度・高耐食性の三拍子が揃っています。
軽くて強いチタンはねじにも最適
軽量・高強度・高耐食性というチタンの特質は、ねじ材料としても優れた性能を発揮します。
チタンの重さは鉄鋼の3分の2程度であるにも関わらず、強度は鉄鋼の約2倍と言われています。アルミニウムほど軽くはありませんが、チタンの強度を考えれば十分な軽さといえるでしょう。
また、チタンの重量比強度は鉄鋼の約2倍、アルミニウムの約3倍とされています。丈夫なうえ柔軟性にも優れており、強い力を受けて多少変形したとしても、元の形に戻ることができます。
高温・海水・薬品に負けないチタン
チタンは熱に対しても強く、チタンの融点は約1700°とされています。鉄鋼の融点が約1500°、チタンと同じく軽量化に優れたアルミニウムの融点が約700°であることを考えると、チタンの耐熱性は非常に高いと言えるでしょう。
耐食性においても、チタンは抜群の強さを見せます。とくに海水中では、永遠の象徴とされるプラチナにも匹敵するほどの耐食性を発揮します。海水だけでなく、塩酸などにも強いのが特徴です。
ただし、チタンは高価な金属であるため、どこにでも使われるわけではありません。航空分野など、使用環境の厳しい分野で重宝されています。
チタンはもともと優れた性質を持つうえ、様々な元素を添加したチタン合金も作られており、今や先端技術には欠かせない金属となっています。
チタンの需要は今後、ますます高まっていくことでしょう。